秘封倶楽部と"幻想に至れなかった者達"が織りなす

スペキュレイティブ・フィクション・アドベンチャー
Fantastic Maidens
CHARACTERs・DATA
「……ごめんなさい。愛してるわ、宇佐見蓮子」第4巻:『貴女の憧憬、私の偽証』より
Ⅶ.反転する幻想-rebirth reverie-
・プロフィール
対象:マエリベリー・ハーン
種別:人工幻想的乙女試作r型レヴァリエ
特殊:大魔女の人形器
・アビリティ
[評価]S-
龍神の上位互換。大魔女に比肩する。
宇佐見蓮子、博麗霊夢と戦闘時に2ランク低下補正を受ける(S→A)。
[能力1]虚実の反転
世界に存在する森羅万象のステータスを初期化する。
対象が幻想的乙女相当の場合、自律神経系を侵食。黒化を急促進させる。
この能力は美蘭の『龍ノ威信』の上位互換であり、発動が前後したとしても優先される。
[能力2]虚空の開鑿者
無数の目が棲む亜空間隙間へ繋がることができる。
元来の隙間としては未達で、半径100m以内の有機物の出し入れまで。アニマ世界は対象外。
対象の捕獲は10秒程度だが、別能力との併用が可能。
[能力3]スキルイーター
対象の能力を抜き取り幻想郷へと送り返し、還元分を獲得することができる。
幻想的乙女、人工幻想的乙女は対象外なため、能力1を行使することが想定される。
・必要事項
[対価]人間(霊魂、精神、肉体)
100人単位が必要となるが、これ以上の敗残兵を第二次世界大戦後に捕食している。
現代においての対価清算は不定期に一人程度で充分。双翼の悪魔とは異なり、血ではない。
[契約者]ウラジーミル(相性:高)
100年を優に生きる大魔術師であり、露西亜帝国の皇帝。
[再起動条件]三段階(難易度:極高)
1、冥霊魔術一等級の魔術で長期間暗示をかける。
2、反転する幻想であることを自認させる。
3、精神的に過度な負荷を与え、興奮状態を維持する。
三段階目は時間を要するが、この状態で致命的な外傷を負うと誤作動が生じる。
・魔術新約聖書
『イスパニャ王の悲観に同情していた私はある娘と出逢った。
娘は利発的な物言いで、ブリテンの大魔女への交渉を提案してくれた。
以来、この娘は私達の前から姿を消した。大魔女と入れ替わるように。
彼女はもしかすると、神の遣いだったのかもしれない。』
・経歴
[改竄された歴史]
合衆国アメリカが戦後の切り札として『人工生体兵器』の開発を進めているという情報を手にした露西亜帝国は、戦後の覇権を放棄することを条件に大魔女に接近。この時点で合衆国は人工生体兵器D型を再改良していた。大魔女は歴史的事件としてレミリアを使用しようとしていたため、自身の将来的な受け皿にする予定だった人工幻想的乙女試作r型レヴァリエの設計情報の一切を露西亜へと渡した。この際、合衆国の試作r型の資料を消失させる。機密情報だったことからこの事実は公開されることなく、のちに人工幻想的乙女R型を再開発した(元々レヴァリエの生成を目指していたため、同一の頭文字を持つレミリアに舵切りをして混乱を防いだ)。R型の威力を伝聞した関係者らは、「元々造ろうとしていたモノは、R型を凌ぐ兵器だったのでは」と囁くようになり、以降彼女のメイデンズ・コードは【反転する幻想】となった。したがって、彼女のメイデンズ・コードは『魔術新約聖書』に明記されてはおらず、後代が生み出した歴史と言える。合衆国の口伝は露西亜での生成の際に大きく作用し、大魔女ですら想定していなかった理想の器として生誕することになった。
ウラジーミルは彼女の生成成功と存在をひた隠し、国際社会では生身の幻想的乙女保有国家として中華民国と連携。劣化版の生体兵器をイタリア、フランスに流用する合衆国と敵対する国家として在り続けた。
露西亜は大魔女の晩年を改竄し続ける見返りとして、日本でのオリンピック開催に併せてレヴァリエを日本に解き放つことを約束する。一方で、幻想的乙女としての務めを十六夜咲夜の継承者に強要した。
[歌舞伎町連続昏睡事件]
2015年。東京帝都オリンピック開催が決定すると、レヴァリエの記憶を植え替えて日本へと移住させた。その際に、名前を合衆国への皮肉も込めて「マエリベリー・ハーン(幻想の王)」と名付けて認識させた。
2017年。東京都新宿区歌舞伎町で冥霊魔術の暴走と思われる事件が多発すると、露西亜はレヴァリエの誤作動を疑い、現地に諜報員と石崎ジュリアを送り込んだ。この際に、ジュリアにはウラジーミルからの過度な圧力がかけられており、非力と『十六夜咲夜の物語』との間で葛藤した彼女は、ウラジーミルの「幻想的乙女は優等な魔術師の霊魂を糧にすることができる」という虚偽の助言を真に受けてしまう。
この事件を攻略するに際しては、ジュリアが目移りするように日本魔術協会理事長藤原氏の長女である輝夜を紹介。結果としてはレヴァリエの犯行でなかったことを確認した諜報員がウラジーミルに事実を報告。あまつさえ、ジュリアは懐柔したと思い込んでいた輝夜に欺かれる形で、自らの存在意義をさらに喪失させることになった。
・概要
物語の要とも呼べるキーパーソン。合衆国社会でも問題なく暮らせるように調整されていることもあって、群馬での覚醒が発生するまで輝夜と優子を除いて誰ひとり彼女の危険性を認知できていなかった。蓮子を騙していたことを後悔(メリー自身もまた被害者ではある)していたが、深手を負った不可抗力で覚醒してしまう。1巻でジュリアが言及したミスリードの最たるものであり、周囲に本名を呼ばせないことが発覚を遅らせた。これはメリーの自認によるものではなく、蓮子を慕っていたが故に起きた不慮の事故という側面が強い。彼女の覚醒は優子によって計画的に進められていた。
4巻冒頭ではF型のことを多くの人物が化物と称しているが、覚醒後の彼女のステータスはその化物をも凌駕する。龍神の攻略ができていない段階では到底手に負えない手合いであったことから、輝夜、優子共々逃してしまう。
主たる目的は賢者の石と癒着している大魔女の霊魂(=ラプラスの瞳)を受け止めることであり、そのため覚醒しただけの彼女というのは中身のない器。いわば、このメリーの皮を被った第二形態である。第三形態として大魔女の霊魂を受容することで、ラプラスの瞳の願望と共鳴し、新たな姿へ変化することができる。
神聖種属に変形した冥霊魔術としての隙間はあらゆる相手に対して有効。大魔女が出現しない世界において、彼女の再来とも形容できる。また、『吸血鬼伝説』√βでラプラスの瞳が切り離した彼女に由来していることから、黄金の投擲魔術も行使可能。さらに、この期に及んで幻想世界からの能力流用が可能なため、スキルイーターを使用しなくてもある程度の魔術が使える。よって、遠近ともに弱点はなくなった。
本来であれば最強という触れ文句でも差し支えないのだが、ラプラスの瞳の起源から派生して博麗霊夢に苦手意識を持っており、メリー人格の後悔が蓮子を受傷させたくないと願っている。このため、先述いずれかが混在する戦闘でステータスを低下させてしまう。
